藤井薫の異国の食文化とは?
「藤井薫の異国の食文化」第二回目は香港、世界中から金融と観光で街が賑わう、エネルギッシュな世界都市で藤井が見たものとは?その土地ならではの、人や食べ物、現地の讃岐うどん?に出会う旅行記です。
文:藤井 薫
活気あふれる、10年ぶりの香港。

▲①高層ビルが並ぶ香港の街

▲②ホテルから香港の街並みを望む
今回で3度目の訪問になる。いつも香港とかシンガポールに来て感じるのは、 こんな小さい国が何故こんなにも活気があって存在感があるのだろうかということだ。 香港の人口は750万人程度で、日本の人口の16分の1程度の規模なのに、世界に向けての存在感、活性度が全然違う。 こちらで案内してくれた人達に聞いたところ、香港はオープンで住みやすいとのことであった。 規制が少なく、市内のブランドショップも全て免税になっているので、空港内にある免税シップと価格が全く同じだそうだ。 要するに、開かれた市場で規制が少なく誰でも努力すれば報われる様なイメージが沸いてくる。 しかし、それだけ競争も厳しく淘汰も激しいのだろう。 これが香港の活性化を生んでいるひとつの理由の様だ。
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香港で人気の日本料理店は意外なことに・・・

▲③今回の香港訪問で私が一番気に入った『香港麺』。
大変弾力があるウェーブのかかったちぢれ麺。
現地で6店の飲食店を持っている実業家 の方に案内して戴いたので香港事情がよく 判った。香港と日本の飲食事業の一番大き な差は家賃の差だった。香港は活用出来る 土地が狭いので家賃が非常に高いそうだが、 水道光熱費と原材料費は日本と比べると安 い様だ。特に、香港は関税がゼロなので、 日本からの食材も他の国からの食材も一切 関税がかからない。従って、他の国の様に 日本食材が入手し難いとか、日本食材を使 うと原材料比率が極端に高くなるというよ うなことがないようで、その点では恵まれ ている。しかし、家賃は現在でも常に上が り続けているので、いつ家主から家賃値上 の交渉があるか判らないらしい。家賃値上 に応じなければ、場合によっては退店とい うことも往々にしてあるらしい。
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▲④⑤香港麺には他にも色々な食べ方がある。④は乾燥 エビの粉をまぶしている。⑥⑦ショッピングモール内 のうどん。⑥はトマトベース出汁の肉うどん。⑧絶品 炊飯。⑨飲茶で食べた小龍包もやはり美味。
ところで、案内して貰った店舗の中に、 ロンドン発の大成功している現地で有名な 日本料理店があった。この店のオーナーは 日本人ではなくなんとインド人とイギリス 人の共同経営だそうだ。ランチが6000 円程度という高級店で、客席数も非常に多 い大規模な店であるが、予約がなかなか取 れないそうだ。店内を見せて貰ったが、日 本人の私が見ても内装も素晴らしく、準備 している食材、調理方法、どれをとっても 私たちが感心する様な店だった。更に驚い たのは働いているスタッフには、一人も日 本人が居なかったことだ。 高級店だからスタッフのレベルも非常に高 いのだが、一人も日本人が居ない高級日本 食レストランが香港にあることに大変驚い た。ガラス張りの大きなワインセラーに置 いている日本酒は、日本でも名前が通った 有名な地酒ばかりだった。 アメリカ等でも日本人が居ない日本料理店 は沢山あるが、それは殆どが高級店でなか ったり、その地域での有名店などではなく、 これが日本料理店と思うような店が殆どだ。 我々は普段から、もっと既存の枠を超え た考え方をしなければと改めて思った。
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街全体が躍動している香港の夜景。

▲⑩ビクトリア湾からの香港の夜景に感動。

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⑪夜の繁華街もにぎやか。
⑫露店には様々な魚を取り扱うお店も。
滞在中、様々な飲食店を見て回ったが、 実は飲食店より香港の夜景に感動をした。 大きなビクトリア湾を挟んで両岸に大きな ビル群がそびえているが、そのビルの照明 が凄いのだ。夜8時(日本時間9時)より 光のショーが始まった。沢山のビルが順番 に紹介され、ビルの壁面に埋め込まれてい る鮮やかな照明が音楽に合わせて点滅した り、ビルの屋上にあるサーチライトが光を 放ちながら動き回るのだ。まるで屋外の光 のショーの様な雰囲気だ。 多くのビルを巻き込んでの規模なので、 まるで香港の街全体が躍動している様なイ メージだ。どこかの街を参考にしたのかと 思って聞いてみると、意外にも香港の役人 がビルのオーナー達を説き伏せて実現した そうだ。音楽に合わせて動く光は全て大規 模にコンピューターでコントロールされて いる様だが一気にこんなに素晴らしいイベ ントになったのではなく徐々に進化したそ うだ。香港は金融と観光の街なので、世界 中から人を呼ぶ為の努力や投資は惜しまな いそうだ。世界中のどこにも事例がなくて も、自分達の強みを更に強くする方向で進 化を続けていることに感動した。
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世界の中で勝ち残るためには・・・

▲⑬市内から空港までアパート群。
4日間の香港滞在を終え、関西空港に夜 8時頃到着、深夜に帰宅した。香港訪問で 感じたことは、まず、香港へは飛行時間も 3時間半程度、時差も1時間しかないので、 国内旅行感覚で行けることだった。 こんなに近い所で、小さいながらも国際 的には大きな存在感のある国が頑張ってい る。今は国の大きさが優劣を決めるのでは なく、その内容であり、鮮烈な個性だ。個 性のない国、存在感のない国は国際競争で 生き残っていけないと感じた。これは企業、 店舗に置き換えても同様だ。香港の場合は 金融と観光立国を目指していて、空港も関 で、東南アジア地区のハブ空港の役目を担 っている。これから世界の市場で勝ち残れる都市になる為の戦略をシッカリ立てている様子がよく 判った。狭い国土の中の750万人の都市(国のようなもの)が生き残る為の方策を金融と観光に 求め、その優位性を徹底的に磨いているのが香港だ。 市内から空港までの道のりをタクシーに乗りながら見ていると、背の高いアパート群が何重にも 立ち並んでいる姿は圧巻だった。部屋のサイズは殆どが12坪程度で、家賃が市内だと日本円で10万 円は下らないとのことだった。その部屋に年老いた親が居れば、全部で5名程度で住んでいて、働 香港人は親を大切にする習慣があり、家賃事情も あるだろうが両親との同居が当たり前の様だ。両親と同居していない夫婦の場合はメイドさんに家 だ。職場での女性の地位が高く、男女の差別はな 感動と様々な良い刺激をもらった香港訪問であった。私たちも良い方向へ早く進化していかなけ ればいけないと思った。







